蒼き竜騎士


これはブルメシアにある竜騎士専門学校での話である
ブルメシアでただ一人女にして竜騎士を目指すものがいた
その名はフライヤ・クレセントという
時に人は彼女に尊敬すれば僻む者もいた。
そんなある日のことだった
フライヤはいつものように家へ帰ろうとした。
一人の男がやってきた。
「ふ、フライヤさん。付き合ってください!!」
一人の男は勇気を振り絞った。しかしフライヤは・・・
「すまぬ。」
ただ一言そういうと黙ってその場を立ち去った

帰り道
ただ一人いつもの場所でぼ〜っと考えていた
「これで今月12人目じゃ・・・」
ただポツリと呟いた
「何が12回なんだ??」
「ぱ、パック王子!!」
「フライヤ、何が12回なんだ??」
「いえそれは・・・」
「フライヤ!!隠し事はなしだぞ!!」
「・・・・そうですね」
フライヤはそっと笑うと話し出した・・・・
「ふ〜ん、すごいじゃないかフライヤ!!で、なんていったんだ?」
パックはわくわくしながら返事を待った
「そんなこと、すべて断ったのじゃ」
「何で??」
「何でって私は恋などしたくありませんから」
「???」
少しびっくりした。パックはきっとでれか好きな人がいるからなのだろうと思ったからだ
「恋をすると人は弱くなると聞きます。私は強くなりたいのです弱くなりたくない」
「そうなのかな〜」
「きっとそうですよ。それに私は恋などしてる暇はありませんからね」

次の日だった
厳しい練習を終えたフライヤにまた今日も一人の男が現れた
「あ、こんにちはフラットレイ様」
初めてこの男と会話する。少し緊張気味でへこりと挨拶した
もちろんブルメシア最強といわれたフラットレイを知らないわけではない
「こんにちは、フライヤ」
フラットレイもブルメシアただ一人の女竜騎士を知らないわけではなかった
「今日は君にたのみがあってきたんだ」
「何でしょう??」
「明日、私と手合わせを願えないか??」
「!!」
ふとフライヤは思った
自分がどれほどのものか試すときが・・・・

フライヤvsフラットレイの話しは瞬く間に校内に広がった
なんせブルメシア最強の竜騎士と期待の女竜騎士の対決だ
人々は「見ないわけにはいかない」とうわさする
中にはトトカルチョをしだすものもいた・・・
そんな中やはり彼女は考え事をしていた・・また、いつもの場所で夕日を見ながら
「(しかしフラットレイ様はなぜ私なんかに勝負を挑んできたんでしょう?
   果たしてフラットレイ様を打ち破ることは出来るのでしょうか・・・)」
ちょっとした疑問、数々の不安がフライヤを襲う
そんなときだった
「フ〜ライヤ!!」
「パック王子どうしましたか??そんなにうれしそうに」
「フライヤ聞いたぞすごいじゃないか!!明日フラットレイと勝負するんだろ??」
「しかしそれがなぜ・・・・」
「何だよ、もっと喜べよ、フライヤが強くなったのを認めてもらえたんだろ?」
「・・・・・・・」
フライヤはふと気が付いた
彼女にはあまり分からなかった自分の力がかなり上がっていることに
「(そうか・・・そういうことなのですね・・・・フラットレイ様・・・)」
不安だったフライヤは少し自分に自信がついた
その時なんだかパック王子は何でも知っているんだな〜っと彼女は少し複雑な気分になった 

瞬く間に夜が明けた
フライヤは少し寝不足気味だった
今日もまた厳しい授業が終わる
試合は放課後校内グラウンドだ
フライヤは少し休憩すると訓練用の槍を握りしめた
一歩歩くたびに鼓動が大きくなる
あっという間に運動場へついた
フライヤにはなぜか分からないが大量のギャラリーがいた
「ちと恥ずかしいの〜????????・・・・・・」
そんな人ごみの真中にフラットレイは立っていた
フライヤは急いでフラットレイの元へ向かった
「すいません、ちょっと遅れてしまいました・・・」
「いや気にすることはない」
「それにしても呼びかけてもないのに大勢の人ですね・・・」
「緊張してるのか??」
「いえ大丈夫です、早速はじめましょうか?」
「そうだな・・・」
フラットレイは少し後ろへ下がる
「勝負はこの石が地面に落ちたときだ・・」
そう言ってフラットレイは石を空高く投げた・・・
     コン・・・
その瞬間フライヤはフラットレイをめがけて走る
フラットレイもフライヤを目標とする
お互い槍での突き合いが始まる
ギャラリーはそれだけでも驚いたのにもっと驚いたのがフライヤだ
ブルメシア最強の竜騎士に幾度となく攻撃を繰り返す
しばらくそんなことがつずいた・・
やがてフライヤに疲れが見え始める
フライヤは防戦一本になってきた
限界を感じたのかフライヤはフラットレイから離れる
お互い黙って見つめ合う
勝負は一瞬
二人は同時にジャンプする
しかし・・・フライヤよりフラットレイが少し高く飛んだ
その瞬間フライヤは自分の負けを認める
地面に足をつけた瞬間よけるまもなくフラットレイの槍が首元に突きつけられた
冷たい風が走る
フラットレイはその槍をひきフライヤに手を差し伸べた
「立てるか??」
「はい、大丈夫です」
少し悔しげに微笑見ながら立つフライヤにフラットレイは
「今日はひさしびりにいい試合をした・・・・ありがとう」
「いえ、とんでもございません」
「また今度お手合わせ願っても良いかな??」
「喜んで」

試合の後だった
フライヤとフラットレイはまたいつもの夕焼けの見えるところで話をしていた
「フラットレイ様、どうすれば私はあなたのように強くなれるんでしょうか・・」
「何を言う、フライヤだって十分強いではないか、
私より後に竜騎士を目指したのに私とほぼ同じではないか・・」
「いえいえ、私なんてまだまだです」
「・・・」
フラットレイは言葉を失う
はっきり言ってフラットレイはフライヤの出会えたことがものすごくうれしかった
一旅から帰ってきてブルメシア最強に名をてにいてたもののなぜか皆は自分から遠ざかっていった・・・・
そんなときだ、フライヤの事を聞いたのは、
女だからと差別される彼女はフラットレイ自身とと似たものがあった。
フラットレイはそんな彼女に少し惹かれていた・・・
「ではフラットレイ様、明日もまた学校で会いましょうね。」
「ああ・・さよならフライヤ」
「さようなら、フラットレイ様」
そう言ってフライヤは家へと帰った
フラットレイはただぼーっと日が沈むのを見ていた・・・・

あくる日またいつものように授業が終わるとフライヤはいつもの場所で素振りの練習をしていた
「フ〜ラ〜イ〜ヤ〜♪」
「その声はパック王子ですね」
素振りをやめフライヤはそっと振り返った
「フラットレイ様」
「ちょうど道であったんだ」
「相変わらず練習してるみたいだね」
三人は崖のほうへと体を向け座り込んだ
崖のしたには川が流れていた。右のほうには細い大きな滝がある
「ね〜フライヤ、ずっと思ってたんだけどさ・・」
「なんでしょうか??」
「何でこの場所が好きなの??」
「そうですね。大きな滝は綺麗だし、夕焼けが見れるし、
建物が少なくて風通しがいいし、冬は満天の星空が見えるんです・・・それに」
「それに??」
今度はフラットレイがたずねた
「ここの崖は随分深いですからここを降りられるようになるために・・・」
「フライヤは下りたことがないの??」
「はい、最初見たときはびっくりしましたね。今の受身じゃあ到底無理だと思、ましたね・・・」
「今はどうなんだい??今なら出来るかもしれないよ」
「そうですね・・・今ならどうでしょう・・・」
パックは不意に崖を見たかなり深そうだった
「ひえ〜かなり深いな〜、フラットレイは下りれるのか??」
「さあ・・・」
「下りてみろよ」
「いえしかしフライヤがまだやってないのに私が先に下りてしまうのはどうかと・・・」
「・・・そうだな」
「パック王子・・フラットレイ様・・・」
3人は雑談をしながらと夕日が沈み空にあがる星を見ていた
それから日が経つにつれ3人で話す機会が多くなった

そんな日が続くある日・・・
また今日もいつものように話をしていた
そんな時だった。パックがふとあることを言った
「ね〜フラットレイってさ」
「何でしょう??」
「フライヤのこと好き??」
「・・・・・」
「パック王子フラットレイ様に失礼ですよ!!」
少し沈黙する三人
やがてフラットレイが決意したかのように話し出した・・・
「フライヤ私はずっと言おうと思っていたんだがやっと決心がついた・・」
「フラットレイ様??」
パック黙って二人を見守っていた
「好きだ・・フライヤ、初めて会ったあのひから・・ずっと・・・ずっと好きだった」
フライヤは突然のことにびっくりした
恋をしないと思っていたフライヤはそんなこと1度も考えたことがなかった・・
なぜか分からないまま痛みだす自分の胸を抑えた・・・
パックがそれに気がついたのか少し声をかける
「どうしたんだ??フライヤ・・・・」
「分からないんです・・・」
今までなら断ることもたやすかった・・・・
のどがちりちりと痛み出す・・
今までにないことにフライヤはかなり混乱していた・・・
やがてフライヤは整理できない自分の気持ちを抑えてフラットレイに返事を返した・・・
「すいません、フラットレイ様・・・」
フライヤはそういうと一目散に走り出した
「フライヤ!!どうしたんだよ!!」
フラットレイは黙り込んでいた・・・
「フラットレイ・・・」

フライヤはその日部屋に閉じこもった
ただ良く分からない感情に振り回されながら・・・・
どうしてか自然と涙があふれてきた・・・

気がつけば朝だった・・・・
今日はあいにくの雨
フライヤははれた頬を見ながら今日は学校を休むことにした
その後、疲れたのか急に深い眠りについた・・・・

目がさめたのは夕方だった
眠い目をこすりながら時計を見た
4時頃だった
昨日のことを思い出す・・・
わけも分からず痛み出す心・・・
フライヤにはそれがなんだか少し気づいていた
しかしフライヤはそんな自分を認めまいと、否!!認めたくないと思っていた
だが彼女の思いは自分でも止められないものになっていた・・・
どうすればいいんだろうと悩む
ただひたすら・・・・・・
フライヤはフラットレイのことが・・・
ふとそんなことに気がつく、しかし
『恋いなんかしない』
そんな気持ちがさえぎる・・・・・・
やがてフライヤには1つの答えが出た
強くなりたいでも今はフラットレイ様の近くにいたいただそれだけだった・・・
5時が来ようとしていた
もうすぐ学校が終わるころ・・
フライヤは慌てて着替えた
フラットレイ様に会いたい、あって一言言いたい!!
そんなことを考えながら傘も持たずに走って家を出た
降り注ぐ雨にうたれながらひたすら学校へと走っていった
もうすでにチャイムが鳴り響き学校は終わっていた・・
フライヤはただフラットレイがまだ帰ってないことを祈り門の前で待っていた・・
冷たい雨が降り注ぐ中一人の女が声をかける
「どうしたんですかフライヤさん、傘も持たないで・・・それに大丈夫なんですか??
 今日はお休みだって聞いたんですけど・・・」
「大丈夫じゃ、ちょっと人を待っておるだけじゃから・・・」
「・・・フラットレイ様ですか・・?」
「・・・・・」
フライヤはうつむいた・・・・
最近仲が良かったからそうじゃないかと思った女は聞いてみた
「フラットレイ様なら先ほどお帰りになりましたよ・・・
 確か家とは逆のほうに走っていくのを見ました・・・」
「そうか・・」
フライヤは礼を言うと走っていった
いつものあの場所へ・・・・・・・・

フラットレイは夕日の見えないいつもの丘でぼ〜っと雨を見ていた
誰かが走ってくる音が聞こえた
フラットレイにはそれが誰だかすぐわかった・・・・
「はあ、はあ、はあ・・・こんなところにいらっしゃったんですね・・・」
「・・・・・・・・」
フライヤは急いで走って来たのでかなり息が上がっていた・・・
「・・・昨日はすまなかったな・・・・・・」
「いえ、誤らなければならないのは私のほうです・・・ごめんなさい・・・」
フライヤは顔を上げた
「私、昨日何がなんだかわからなくなって逃げ出してしまったし・・・
ひどいことを言ってしまいました・・・それから・・・・・・好きです・・・フラットレイ様!!」
その言葉を聞くとフラットレイはふとフライヤのほうへ振り返った
すると彼ははフライヤをぎゅっと抱きしめた
雨に打たれフライヤの体は冷たかった・・・・・
「大丈夫かフライヤ、びしょぬれじゃないか・・・」
「大丈夫です・・フラットレイ様のためならこのくらい・・」
「フライヤ・・・・」
フラットレイの腕に力がこもる
それに答えるかのようにフライヤはフラットレイの鍛えられた背中に手を回す
「フラットレイ様・・・・」
「どうしたフライヤ??」
「私はずっと恋をすると人は弱くなると思ってました・・でも、それは間違いだったんですね・・
  恋をすると人は強くなれるんですね・・・」
「ああ・・そうだな。恋をするとその人のためにいくらでも強くなれる・・・私は君にそれを教えられた・・・」
いつのまにか雨はやみ燃えるような夕焼けがあった
二人ともそんな夕焼けは今まで見たこともなかった・・・





まつちゃんよりいただきましたv
ありがとうございました・・・!




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