紅の竜騎士


あの日から数ヶ月・・・
フラットレイは自分を磨くためしばらく旅に出た
フライヤを残して・・・

一週間後はパック王子の8回目の誕生日だった(ってことは今いくつだ??)
今日もパックは城を抜け出し彼女のもとへ行くのだった
「フラ〜イヤ」(毎回呼び方が違う・・・???)
「パック王子、また城を抜け出してきたんですか??」
ちょっとあきれた口調で言う
「いいじゃん、俺フライヤに会いたかったんだもん!!」
「はあ ところで王子、明日は王子の誕生日ですね」
「早々それなんだけど・・フライヤ、頼み事していいかな??」
「何でしょう??」
「え〜っとね・・フライヤに踊りを踊ってほしいんだ・・・」
ちょっと恥ずかしそうにパックは言った
「踊りですか??私なんかでよければ・・・」
「何言ってんだよ、フライヤめちゃめちゃ上手いじゃん、いいだろう??」
フライヤはそんなパックを見てにっこり微笑んだ
「ありがたきお言葉、フライヤ・クレセント、パック王子のために踊らさしていただきます。」
「やったー!!早速父上にも言わなくてはな」
パック王子は大喜びで城へ帰っていった
そんなパックをフライヤは
「(なんだかんだ言ってもまだまだ子供じゃのう)」
と思うのであった

そんな日夕方だった・・・(また夕方)
フライヤが今日はひどく疲れたのか少しうとうととしていた
「しばらく眠るとしよう」
そう言ってフライヤは深い眠りについた
そんな時だった巨大な蛇がブルメシアに攻めてきた
町は混乱に陥っている・・
パック王子は急いでフライヤを呼びに言った
「フライヤ!!フライヤ!!いないのかフライヤ?!!」
ドンドンドン
ふとフライヤは目を覚ました
「フライヤ!!早く〜!!」
慌ててフライヤは玄関に走った
がちゃ・・・
「なんですかパック王子騒々しい・・・!!」
「フライヤ!!大きな蛇が・・・」
「な・・・」
フライヤは急いで着替えて愛用の槍を持つとパックを抱え走った
フライヤは自分より3倍以上ある大きな蛇を見るとすぐにパックを下ろした
「ちょっとまっててくださいね」
そう言ってフライヤは大蛇を睨み付けた
大蛇もその気配にきずいたのかフライヤを見下ろした
二人のにらみ合いが始まる・・・
パックは少し心配そうに隠れながら見ていた
「(フライヤ大丈夫かな〜・・・)」
その時大蛇はフライヤをめがけて襲いくる
かなりのスピードだ
彼女は後ろにジャンプした

大蛇は尾でフライヤをはじこうとした

大蛇とフライヤの激戦は始まってからかなりの時間が経ってきた
フライヤは少し疲れが見えている
大蛇のほうは無傷だがフライヤはかすり傷だがダメージを受けていた
「(このまま長引けば確実に私が先に倒れてしまう・・・)」
フライヤは何かを思いついたか地面に着地すると鋭い目で大蛇を睨むと今まで以上に高く飛び上がった
それにあわせ大蛇も体を伸ばす
何を思ったかフライヤはそのまま大蛇に向かって降りてきた
フライヤの槍が大蛇を貫く
それと同時にフライヤの腕から血が流れだす
「く・・・」
焼け付くような痛みが全身を走る
なんとフライヤは自分の右腕をかてにして槍を突き刺したのだった
大蛇は耐え切れずフライヤを落とした
動くことなく真っ逆さまにフライヤが落ちてくる
「フライヤ!!」
パックは慌てて出て来たが幼き彼にはフライヤを受け止める力がなかった・・・
そんな時だった。フライヤの体がふわりと持ち上がった
空中で何者かに受け止められた・・・
あまりにも早くてパックには良く見えなかったがそれが誰なのかは彼にも分かった
そう・・フラットレイだ・・・・
「フライヤ大丈夫か?!!」
かすむフライヤの目に見覚えのある姿が見えた・・
「フラットレイ様・・?お帰なさい・・」
「今はそれより怪我の手当てが先だ」
フライヤの腕からはどす黒い色の血が流れている
明らかに毒だ・・・
「フラットレイ!!フライヤは大丈夫なのか??」
「分かりません。パック王子今すぐフライヤの家に医者を呼んでください」
「分かった」
パックは急いで病院へ走る
ここから少し離れた所に大きな病院があった
フラットレイは急いでフライヤの家に連れて帰るとフライヤの毒を吸い出す
「う・・・」
「だいじょうぶかフライヤ、もうすぐ医者がやってくる。もう少しの辛抱だ」
「すいません・・フラットレイ様。帰ってくるなり迷惑をかけてしまって・・」
「そんなことはどうでもいい」
毒を吸い出すとフラットレイはフライヤをベッドに寝かした
まもなくしてパック王子と医者が駆け込んできた
「フラットレイ!!怪我はどうなんだ!!??」
「毒にやられてますね・・手当てが少し遅かったのでもしかしたら少し毒が回っているかもしれません・・・」
そう言ってフラットレイが急いでフライヤを医者に見せる
その間2人は部屋の外で待たされた・・・
「フライヤ大丈夫なのかな??」
「きっと助かる・・・」
やがて医者が部屋から出てきた
「で、フライヤはどうなんだ??」
パックが急いでたずねる
「今はお眠りになられています。傷のほうは大丈夫なのですがやはり少し毒が回り始めています・・・」
「薬はないのか??」
「それなんですが・・・最近は薬の材料が取りにいけなくなりまして・・・」
「ということは薬はないのか??!!」
「はい・・」
「材料はどこにあるんだ??私がとりに行ってこよう。」
「・・・ギザマルーク様の洞くつの近くに小さなホラ穴のようなものあります・・・
最近はそこの奥には恐ろしい化け物がすんでいるといううわさがあります・・
しかしフラットレイ様となれば薬を持ち帰ることが出来ましょう」
「そうか・・しかし薬とはどのようなものなのだ??」
「奥に小さな棚のようなとこがあります。そこにとてもきれいな水があります」
「それを持って帰ればいいのだな」

二人はフライヤを見に行った
フライヤは医者の言うとうり眠っていた
フラットレイはそっとフライヤの顔を覗き込む
パックは心配そうにそれを見ていた
「ではパック王子行って来ますね」
「フライヤが起きるまで待たないのか??」
「こういうことは早い方がいいでしょう」
そういうとフラットレイはフライヤの左手を取りそっと自分のほほに当てた
そして目を閉じた
「フライヤ・・必ず戻ってくるからな・・それまで待っててくれ・・・・・」
そういうとフラットレイは部屋を出て行った
パックはそんなフラットレイをそっと見ていた

フラットレイが家を出て2時間ほど経った
パックは本を読んで待っていた・・・・
そんな時だった
フライヤはそっと重いまぶたを開いた
「パック王子・・・・」
「よ!!フライヤ!!やっと目がさめたのか」
フライヤは周りを見渡した
そこには自分を助けてくれた彼の姿はなかった・・・
「パック王子フラットレイ様は何処に・・・」
「・・・フラットレイはフライヤのために解毒剤の材料を取りに行った」
「そうですか・・・」
フライヤは少しさびしそうな顔をした
パックはそんなフライヤに気づいたのかフライヤの右手をとった
「パック王子?どうかしましたか??」
「いやなんでもない」

一方フラットレイは洞窟の中だった・・・
薄暗く少し深いし、モンスターはかなり多かった
それでもフラットレイは走り続けた
さまざまな敵をなぎ倒しながら・・・
やがてフラットレイに1つの光が差し込む
水だ・・・・・
急いで持ってきたボトルに水を汲んだ
するとまたフラットレイは走り出した
かなり息が切れていた
それでも槍を振りながら走りつづけるフラットレイ
やがて洞窟の出口が見えてくる・・・
休むことなく走りつづける
足が痛い・・・
そんなフラットレイに1つの言葉が思い浮かぶ
「(フライヤは今もっと苦しんでいるかもしれない・・・)」
そう思うとフラットレイは「休んでいる場合ではない」と思いまたスピードを上げて走り出す
辺りはすっかり日が暮れていた・・・

フラットレイが家を出てからはや3時間くらい経った
パックはフラットレイが帰ってくるまでいろいろなことを話していた
フライヤは自分の胸にの異常に気がつく
パックに悟られないようにそっと左手で胸を抑える
「でねフライヤ、屋根の上から逃げようとしたらさみつかちゃってそのあとずっと追いかけられたんだ」
案の定、パックは気がついていないかった
しかしだんだん痛みが増してくる
さすすがのパックも気がついたのかフライヤの手を握る
フライヤはとうとう倒れこんだ・・・・・・
「う・・く・・・」
「フライヤ!!!大丈夫かフライヤ!!」
フライヤの額から汗が流れ出る
「はあ・・はあ・・大丈夫です・・・うっ」
「何処が大丈夫なんだよ!!」
パックの手に力がこもる
なおも苦しみつづけるフライヤ
やがてフライヤは目がかすれてくる
腕にもあまり力が入らない
「く・・・」
フライヤはやがて重いまぶたを閉じる・・・
「フライヤ!!フライヤ!!死んじゃやだよう・・・!!」
パックが泣きながら叫ぶ
「(情けない最後じゃ・・・パック王子・・・・私はもうだめです・・・・・
最後にフラットレイ様・・・あなたに・・・・

「(あなたに・・・・会いたかった・・・・)」

「フライヤー!!フライヤーー!!目、開けてよ!!」
フライヤの腕からどんどん力が抜けていく
「俺のために踊ってくれるって約束したじゃないか!!」
その時だったパックにはかすかな足音が聞こえた
どんどん足音が近ずいてくる
「フ、フラットレイなのか??」
バン!!と勢いよく扉が開く
「フライヤ!!」
「フラットレイ・・・フライヤがフライヤが目開けてくれないんだよ〜」
フラットレイがフライヤに駆け寄る
彼女はすでにぐったりとしていた
「そんな・・・フライヤ・・・間に合わなかったのか??フライヤの声はもう聞こえないのか??もう微笑んでくれないのか・・・・」
フライヤの左手を両手でしっかりと握る
その手の上にフラットレイの涙が零れ落ちた
その時だった
フライヤの腕がかすかに動いた
「フライヤ??」
フラットレイはフライヤの脈を確かめると自分の口に薬を入れる・・
「ふ、フラットレイ・・?」
その瞬間フライヤとフラットレイの唇が重なる
パックは息を飲む
フラットレイはフライヤから離れるともう一度フライヤの手を握り締めて
「(間に合ってくれ・・・)」
と祈った・・・・
そのあとフラットレイはフライヤの手を握ったまま眠りについた・・・

次の日の昼だった
フラットレイがふと目を覚ました
しかしフライヤはまだ眠っていた
青ざめていた顔がもとに戻っている
安心したのかフラットレイは1人部屋を出て行った
・・・・・・
「・・・・ん??」
不意にパックが目を覚ます
「(あれ・・・?フラットレイがないな・・・フライヤは・・・まだ寝てるな・・・)」
心配そうにフライヤを見つめた
その時   ぐ〜 
「(そういえば昨日から何も食べてないな〜・・・こんな時フライヤはいつもごちそうしてくれたよな〜)」
懐かしい思い出・・・
パックは再びフライヤを見つめるのだった

夕方だった
フラットレイは相変わらず帰ってこない
パックはじっとフライヤが起きるのを待っている
フライヤはふと目を覚ます・・・
「(ここは天国か??天井が見える・・・天国とは極庶民的なところです・・・フラットレイ様)すべてが夢であればいいのに・・・」
!!!
「い、今フライヤ何か言わなかったか??」
パックはそっとフライヤのほうを見た
パックの見た先にはフライヤが目を開けて上を見ていた
「フライヤ!!目が覚めたんだな・・・・よかった・・・」
「・・・パック王子・・・ここはいったい・・・」
「何言ってんだよ!!ここはフライヤの家じゃないか!!」
「私の・・・家??まさかフラットレイ様が!!」
「そうだよ・・フラットレイが助けてくれたんだよ!!」
フライヤは周りを見渡した
「フラットレイ様は何処に・・・」
「わかんないけど・・・」
「そうですか・・・」
フライヤはそっと起き上がった
「(フラットレイ様・・・ありがとうございます・・・また・・あなたに会えるんですね)」

フライヤはあの時かすかに聞こえたフラットレイの声を思い出した・・・
フライヤが起きてからしばらくした・・・
ガチャリと玄関で音がした
「??フラットレイかな??俺見てくる!!」
パックは慌てて部屋を出た

部屋を出たら紙袋を持ったフラットレイがひょっこり顔を出す
「パック王子お目覚めでしたか」
「お目覚めも何も夕方じゃないか・・俺ちょっとおやじに会ってくるからあとよろしく!!」
パックは慌ててフライヤの家を出て行った
「あ・・パック王子??」
ちょっと不思議に思いながらも机に荷物を置いた
その時だった
「フラットレイ様ですか??」
「?!フライヤ??」
部屋から少しふらついたフライヤが出てくる
「フライヤ目が覚めたのか。大丈夫か??」
そっとふらつくフライヤを支える
「大丈夫です・・・なんか随分とお世話になってしまったみたいで・・・」
「いいんだフライヤ。それよりお腹空いてないか??色々と買ってきたんだが・・何か作ろうか??」
フラットレイが心配そうにたずねる
「よろしいんですか??」
「ああ、ちょっと待っててくれ。いまおかゆを作るから」
フライヤをそっと座らせるとフラットレイは台所に行った
(作り方〜:米をといで鍋に水と入れて火にかける)
まずは米をといだ
フライヤはただぼ〜っとフラットレイを見つめてる
やがて鍋を火にかけると少し時間がかかるのでフラットレイはフライヤの正面の席に座った
フライヤは少し恥ずかしそうにうつむいてフラットレイを見た
「どうした??まだ少し具合が悪いのか??」
「いえ・・これくらいなんともありません。それよりフラットレイ様え〜っと・・
ありがとう・・・・」
赤面したフライヤは下を向いたまま言った
「気にすることはない、それよりだな・・・昨日の夜のことは覚えているか??」
「夜・・・??さああまりよく覚えていませんが・・・」
「そうか・・・ならいいんだ」
少しがっかりしたのか残念なのかうれしいのかよく分からないようなフラットレイをフライヤは疑問に思って見ていた
「そういえばもうすぐパック王子の誕生日ですね」
「そうだな・・・そういえばフライヤが舞を舞うらしいな。パックから聞いたぞ」
「はい。パック王子が見たいというので・・・」
「・・・そうか、楽しみだ」
フライヤはさらに赤面する
フラットレイは笑顔で立ち上がり台所へ行った
少し鍋を見てみる
「ちょうどいいくらいだ」(短くないか??)
そういうとフラットレイは塩を軽くふるうとしらすぼし(ちっこい魚)を入れる
(これを入れるほうが健康にいいらしい)
しばらくすると鍋を持ったフラットレイがやってくる(ちっさい鍋)
お茶碗に一杯のおかゆをくむとフライヤに差し出した
「口に合うかどうかわからないけどまあ食べてみてくれ」
「ありがとうございます・・・それでは頂きます」
フライヤは ふ〜 っと息を吹きかけると一口食べてみた
「どうだ?まずいか??」
「いえとんでもないです・・とてもおいしいです」
そういうとフライヤは2口3口とおかゆを食べた
そんなフライヤをフラットレイはただうれしそうに見ていた

ごちそうさまでした。フラットレイ様」
フライヤは茶碗とはしを机に置いた
フラットレイはニコニコしながら今度はかたずけた
「あ、フラットレイ様・・・後は自分でしますから・・・・」
「いやいいんだ、フライヤは休んでてくれ」
そういうとフラットレイはなれた手付きで洗い物、洗濯、掃除をすませる
フライヤはただじっと見ていた・・・

すべてが終わるとフラットレイは
「外に行こうか」
といってフライヤを抱きかかえる
「え、え、・・」
フラットレイはフライヤを強引に連れ出した
「フ、フラットレイ様・・・」
「どうした??フライヤ」
「・・ちょっと恥ずかしいです・・・」
「気にすることはない。」(今は夜です〜)
「・・・その・・・重くないですか??」
にっこり微笑むフラットレイ、赤面してるフライヤ
「大丈夫だ」
「え〜っと何処へ行くんですか・・・??」
「ひみつ、目閉じて」
「え・・こうですか・・」
そっと目を閉じるフライヤ
フラットレイはフライヤを抱えたままジャンプした
随分高いジャンプだ
フライヤはまたフラットレイが強くなったんだ・・・と一人感心していた
「ここだ・・・目開けてごらん」
フラットレイはそういうとそっとフライヤをおろす
そこは見たことのない大きな木の上だった
木の上からブルメシアが全部見渡せそうだった
「ここはいったい・・・」
「帰ってくるとき見つけたんだ、気に入ったかい??」
「はい、とても綺麗なとこで・・・」
上を見渡すフライヤ
そう空には星が見えていた
「そうか、それはよかった、ところでフライヤにプレゼントを買ってきたんだ、受取ってもらえるか??」
「・・・もちろんです」
そっとプレゼントをうけっ取ったフライヤはフラットレイに
「開けてもいいですか??」
「かまわないよ」
紙袋を破らないようにそっと包みをとった
プレゼントの大きさは小さい筆箱ぐらいの大きさだった
ふたを開けたフライヤ
そこにはエメラルドのペンダントが入っていた・・・
「これは・・・?」
「旅先で見かけたんだ、フライヤにぴったりだと思ったんだが・・・」
「綺麗ですね・・ありがとうございます」
「はは、今日のフライヤは礼を言ってばかりだな」
「ほんと・・・そうですね」
二人はそっと顔を見合わせた
1つの予感が二人に走る
フラットレイはそっとフライヤの肩をつかむ
それと合図にフライヤがそっと目を閉じる
フラットレイはフライヤの唇にそっとキスをする
フライヤから離れたフラットレイはあまい瞳で彼女を見つめた
エメラルドの瞳が見つめ返す
「フライヤ・・・愛してる」
「フラットレイ様・・・私も・・私も愛してます」
そういうと2人は熱烈なキスをする
今度は強く抱きしめあった・・・

それから数日が過ぎた
今日はパックの誕生日パーティーだった
町は出店やいろんな人たちが集まり
城ではパーティーが行われていた
ここはとある家の鏡の前
「う〜ん・・・こんな感じで良いのかの〜??」
そこには白いドレスに身を包んだフライヤがいた
数日前フラットレイから頂いたペンダントを身に付けていた
「あ!!早く行かないとパック王子に怒られてしまうのじゃ・・」
いつもなら5分あれば城にいけるのだがかっこがかっこなのでそうはいかない
フライヤは慌てて家を出て行った

王宮には貴族の人やブルメシア王の親友などであふれ返っていた
その中にはリンドブルムのシド・ファーブル氏が居たとかどうとか・・・
フライヤはそんな中一人出歩いていた
「う〜む、やたらと人が多いので抜けられないのじゃ・・・?」
さすがにこんな美女をほっておくほど皆はあまくなかった
人々が次々にフライヤの周りに集まってくる
「もしかしてあなたが有名なフライヤ様ですか??」
「お会いできて光栄です」
皆口々にフライヤに話し掛ける
「(困ったの〜??強行突破しては後々大変じゃ・・)」
本人はかなり困っていた・・・それでも人々はおさまる事はなかった
「今夜どうだい食事でも」
「いえいえ私と」
「いえ私とドライブにでも・・」
困り果てたフライヤしかし・・・
「悪いな、彼女は今夜私との約束があってな」
正装した男はフライヤの肩をもちそっと自分のほうへ寄せる
「フラットレイ様!!」
「困っているようだね・・はは」
「もう、笑ってる場合じゃありませんよ・・パック王子に会いに行かないといけないのに・・・」
その瞬間フライヤの体が持ち上がる
「ちょちょっとフラットレイ様・・・皆が見ていますゆえ・・・」
「かまわないさ・・」
遠くからきた貴族達はまだあまり知られていない2人の関係など知るよしもなかった
皆二人に道を開けていく
フライヤはただ恥ずかしそうにしていた
「ペンダント、つけてくれたんだね」
「え!!あ、はい・・・///」
パック王子の前でそっとフライヤをおろす
「フライヤ!!フラットレイ!!来てくれたのか」
パックがフライヤに飛びつく
「あたり前じゃないですかパック王子」
「へへ・・ありがとー!!」
「いえいえこのくらい」
「それより、2人ともなんか向こうでざわざわ言ってたんだが・・・?」
「皆フライヤの美しさに魅了されたんですよ」
「フラットレイ様!!」
「??」
そんなこんなで3人はしばらく話し込んでいた

7時から盛大なイベントが始まる
フライヤははっと時計を見ると
6時半だった
「どうしたフライヤ??」
「いえこれからいろいろありますんでそろそろ私は行きますね」
「うん!!フライヤ絶対見に行くからな!!」
「お待ちしております」
そういうとフライヤは少し急ぎ足でその場を去った

7時になる
イベントが始まる
踊りで有名なブルメシアだけあってさまざまな踊り子が登場する
「楽しいなフラットレイ」
「そうですね」
二人は特別席から舞台を眺めていた
そこは舞台を一望できる見晴らしのよい席だった
そんなときだった
「次はフライヤの番だよ!!」
パックが元気な声で言う
自分から頼んだくらいだ
かなり喜んでいた
舞台から薄い衣をまとったフライヤが出てくる
さっきまでとは随分違う姿だったが首からはしっかりとペンダントがかかっていた
フライヤはそっと琴に合わせて踊りだす
2人は一言も喋らずフライヤに見とれていた
衣がひらりと揺れ動き
細い腕がふわりと動く
それと同時にさらりとした白銀の髪が揺れ動いた
月に照らされるフライヤは女神のごとく美しかった
琴が終わると同時にフライヤの舞も終わる
それと同時に2人が我に返る
「す、すっごく綺麗だったな、フライヤ。たのんでよかった」
フラットレイは無言でフライヤが舞台の奥に帰って行くのを見ていた

やがてフライヤが着替えて戻ってくる
「パック王子いかがでしたか??満足されましたか??」
「うん!すっごく綺麗だから見とれちゃった、な、フラットレイ」
「ああ、とても美しかった」
「それはよかった」
それから少し時間が経ってからだろうか・・
パックは疲れたのかイスに座ったまま眠り始めた
こくりこくりと首が動く
「パック王子大丈夫ですか・・?」
「う〜ん、眠たい・・・」
「今日はもうお休みになられてはいかがですか??」
「う〜・・・」
パックはそのまま眠り込んでしまった
「どうしましょう、フラットレイ様」
「とりあえず、ブルメシア王のとこまで運んであげようじゃないか」
「そうですね」
フライヤはそういうとそっとパックを抱き上げる
「大丈夫か??フライヤ」
「このくらいなんともありませんよ」
二人はあるきながらパックを覗き込む
「子供は可愛いですね」
「私にはフライヤが母親のように見えるぞ」
フライヤは顔を真っ赤にする
「そんな母親だなんて・・・」
フラットレイはあるきながらフライヤの肩を持ち自分のほうへそっと寄せる
しばらくして城に到着する
フラットレイがふと兵士に尋ねる
「すまぬがブルメシア王は何処に??」
「奥にいます。案内しましょうか??」
「いや、大丈夫だ」
そういうと二人は奥の部屋へと向かう
ブルメシア王は少しあたふたしていた
「おお、フライヤにフラットレイ。パックを見なかったか??」
「パック王子ならここに・・・」
「おお、よかった・・・急にいなくなるから何処へ行ったのかと思ったらやはり外へ行ってたんだな」
「はい舞台を見に行ってました」
「そうか、よかった、今日は息子が色々世話になったな」
「いえ、かまいませんよ」
フライヤは王にパックを渡すとへこりと挨拶して帰って行った
「やっぱり子供はいいものですね」
「早く私たちにも子供が生まれるといいな」
「フ、フラットレイ様・・・・?」
「いやなんでもない」
しかしフライヤの耳にはしっかり聞こえていたらしく少し下を向いた
「では、フラットレイ様私の家はこちらなので失礼します」
フライヤが後ろを向いた瞬間フラットレイが抱き止める
「フラット・・レイ様??」
ふくろうの鳴き声が聞こえる
「いったはずだ、今夜は私との約束があるって」
月と言う名のスポットライト
「しかし・・・」
フラットレイはより強くフライヤを抱きしめた
「フライヤ、今夜は返さないから・・・」





まつちゃんより、竜騎士シリーズ第2段♪
実はシリーズ名の中でこれが一番好きだったりしますvv




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